<あの人のCHILL/ZONE スイッチ>瞑想家・佐々木依里さんの脳波スイッチを探る。

<あの人のCHILL/ZONE スイッチ>瞑想家・佐々木依里さんの脳波スイッチを探る。

取材場所に指定されたとあるお寺。山門をくぐり長い階段を登ると、シンギングボウルを片手に抱えた女性がにこにこと出迎えてくれた。

佐々木依里さん(以降Eriさん)は瞑想家であり、モデル・環境家としても幅広く活動されている。Instagram Liveを通じたメディテーションガイドを定期的に行ったり、YouTubeで野生のイルカと泳ぐエコツーリズムのVlogを発信したりと、Eriさんの快活なナレーションと共に様々な瞑想の旅を日々提供してくれている。

EriさんはVIE Chill/Zoneの立ち上げ当初からアドバイスをいただいてきた仲間でもあるが、今回改めて脳波を測定したところ、システムのバグ!?と思ってしまうような衝撃の結果が数値に現れた。

 

EriさんのChill法・Zone法

  • Chill法①:おばあちゃんの知恵を実践!
  • Chill法②:無理はしない。誰かがストレスを感じていたら受け手にも伝わってしまう
  • Zone法①:瞑想をしている時はZone状態
  • Zone法②:シンギングボウルの音を聴く

 

早寝早起き、腹八分、無理をしない。一周まわって“おばあちゃんの知恵”を実践することが今は一番大切

--- 瞑想家として、日々人々の心に安らぎをもたらす活動をされていると思いますが、ご自身のルーティンとしてのリラックス法や集中法はありますか?

正直この十数年いろんなことを試しすぎて、最終的に今は原点に返っておばあちゃんが言ってることを実践していますね(笑)早寝早起き、頑張りすぎない、腹八分。新しいことをルーティンに取り入れすぎてキャパオーバーになるよりは、ベーシックなことを整える方が今は大事かなと思っています。

 

--- 基本的なルーティンが整っていると、リラックスする時間と集中する時間、というのも自在に切り替えられるようになっていくのでしょうか?

私の活動は絶対にこの時間にこの仕事をしなきゃいけない、というものではないので集中というより自分自身のモチベーションが上がるかどうかという方が大事ですね。一度始めてしまえば自然と集中モードには入ります。

スマホなどのデバイスは自分でコントロールができないものなので、おやすみモードやサイレントモードにしたりして自分の意識から排除する設定にしています。

 

--- モチベーションが上がらない、何もしたくない、ということもありますか?

ありますあります。でもそれが自然じゃない?冬があるから春がくるように、何もしない時間があるからこそ次のアイディアが浮かんだりとか、やらなきゃ!という気持ちになってきたりとか。

かけた時間がクオリティに比例しているとも思わないので、自分を信じる力で最後はやりきるという感じ。本当にあと一歩のアイディアが出てこない時は、クライアントさんにも正直に話します。無理に時間内に仕上げるとか、変なプレッシャーや負荷を自分にかけていくことはしないですね。

特に瞑想プログラムをプロデュースしたりするときは、誰かがストレスを感じていたり、誰かが不幸せな波動を出していたりする方が、受け取った人の波動に影響してしまいますからね。

 

--- メディテーションガイドをされるときにお寺で配信したり海辺で配信したりとその時々で場所を変えていると思いますが、その場所はどうやって決めているのですか?

その日その時にここがいいな、と思ったところでやってますね。あらかじめ決めていても、その時に気分が乗らない日もあるし、配信しようと思ってもできないこともあります。予定調和を期待するよりも、不協和音やハプニングが降ってくる時の方が生きてる感じがします。

それってもしかしたらバグかもしれないけど、そういうバグの積み重ねで新しい和音が生まれて人類は進化してきたんだと思うんです。そこにどれだけ私たちの体や心が対応できるかというキャパシティの方が大事ですよね。

自然もそういうことじゃないですか。明日天気になるか雨が降るかなんて植物も昆虫も誰も知らないから、それでも生きていける力があるかどうかが強さだと思います。

鐘の音には、細胞レベルでハッとさせられる神秘的な力がある。リラックスというよりもゾクゾクする感覚は、瞑想状態も同じ。

 

--- 今日持ってきてくださったシンギングボウルですが、すごくパワフルで神秘的な音がしますね。

そうなんです。鐘の音って特別ですよね。木や石は自然物なので太古から存在するものですが、金属は土器が生まれてさらにその後にできたものなので、人類にとってはその時初めて聴いた音、ということになります。
人間の祖先がはじめて鐘の音を聴いた時の記憶がDNAの中に残っていて、細胞レベルで神聖なものとして感じるんだと思っています。教会の鐘の音とかも神秘的に感じますよね。

石の音はどちらかというと落ち着く音ですが、鐘の音はハッとさせられるゾクゾク感があるんです。私にとっては瞑想状態に似ているかも。瞑想しているときはリラックスというよりも、意識がはっきりとして集中しているようなゾーンに入っている感覚に近いです。


--- 瞑想しているとき以外にも、瞑想状態に近くなる活動はありますか?

瞑想は瞑想でしかないと思います。ヨガの最後の段階や、みじん切りをしているときなんかは、瞑想状態に近いなと思うこともありますが、それでも全く同じではないです。瞑想している時は、ジャッジメンタルに働いていない、判断をしていない、まったく違う次元で意識が覚醒している状態なんですよね。

最近手術をして全身麻酔をしたんですけど、麻酔から目が覚める時と瞑想状態から覚める時の感覚が似ているなって思ったんです。だからいつもどおり瞑想から覚める感覚で、2秒ぐらいで全身麻酔から覚めました(笑)意識が覚めるまでの段階を自分で認識できて「あ、今はまだ言葉がうまく話せないんだ」とか考えてました。


--- 瞑想状態のときも麻酔状態と同じぐらい脳が休まっているということなんですね…。では実際にそのときの脳波をのぞかせていただきたいと思います!

今回VIE DEVICEを使って、EriさんのCHILL状態の脳波とZONE状態の脳波を測定させていただきました。

Eriさんの脳波を見ると、集中状態に比べて、瞑想状態では、全周波数帯のパワーが顕著に低下していることがわかります。瞑想中に、わずかに出ているのがガンマ周波数帯であるというのも特徴です。

さらにニューロミュージックを聴きながら、瞑想中の脳波を計測してみると、他の周波数帯に比べて、ガンマ周波数帯のパワーが高い特徴がみられました。

チベット密教の瞑想や「慈悲の瞑想」を、日々実践されているEriさん。

米・ウィスコンシン大学マディソン校の先行研究「Superhumans: The remarkable brain waves of high-level meditators」、チベット仏教の高僧で瞑想のエキスパートであるヨンゲイ・ミンゲール・リンポチェ氏の瞑想中、非常に強いガンマ波計測された事例を、想起させると結果となりました。

 

--- 今回、ご自身の脳波を測定してみていかがでしたか?

このグラフを見ると周りで話している人がいても瞑想ができてますね。多分、誰かと会話しながらでも瞑想してと言われたらできると思います(笑)言葉で説明してもなかなか伝わらないから、ちゃんと瞑想状態に入れているというのが証明できてよかったです!

 

--- Eriさん、本日はありがとうございました!

 

境内の植物を見ながら帰るEriさんの横顔には沈んでいく夕日が真っ直ぐと差し込んでいました。溌剌とお話しされる普段の姿から、深い瞑想状態にふっと瞬間的に切り替えられるのは長年の積み重ねが成せる技。

Eriさんのメディテーションガイドは、Instagram Liveで体験することができます。

EriさんのInstagramは、こちら

VIE Magazineでは、さまざまなフィールドで活躍する方々のChill法とZone法をこれからもご紹介していきます。次回もお楽しみに!

 

佐々木 依里

モデル/レポーター/瞑想家/環境家

11歳から瞑想と環境活動に興味をもち独学やお寺で瞑想を始める。現在は瞑想会の開催やマインドフルネスの指導者として活動する傍ら、環境省森里川海アンバサダーとしてサステナブルなライフスタイルシフトの啓蒙に取り組む。心の平和=地球の平和として心と環境のウェルビーイングを目指して活動中。

Instagram: @erisasakimeditationjourney
YouTube: @erisasakimeditationjourney